鯉のぼり

久しぶりの、こいのぼりネタ。

屋根より高いではなく、こちらの鯉のぼり。


甍(いらか)の波と雲の波、
重なる波の中空(なかぞら)を、
橘(たちばな)かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり。

開ける広き其の口に、
舟をも呑(の)まん様見えて、
ゆたかに振(ふる)う尾鰭(おひれ)には、
物に動ぜぬ姿あり。

百瀬(ももせ)の滝を登りなば、
忽(たちま)ち竜になりぬべき、
わが身に似よや男子(おのこご)と、
空に躍るや鯉のぼり。


好きな三番、滝を登りきった鯉は竜門をくぐり、龍になり空に上るという、鯉の滝登りの伝説ですな。

いわゆる「登竜門」の語源。

さらには中国では龍は皇帝のシンボルだそうです。

男の子の大きく健やかな成長を願う気持ちが、これでもかくらいこもっている詞です。

文語調の固い表現ではありますが、ポジティブな気持ちになれるこの歌、大好きや。

一番は知っていても、二番、三番をご存知ない方、多いんじゃないですかね。

うちの実家は漁師町、隣の家と密接、東京の下町と同じで、庭のある家なんて無かった。

ゆえにワシも鯉のぼりはもっておらず、鎧兜の五月人形を床の間に飾ってもろてました。

鯉のぼり欲しかったなぁ。