急行でお先に

また鉄ネタ。

通勤電車、急行や特急が来るとラッキー。

今のJRって「急行」がほとんど走ってない。

言うたら私鉄のそれと違い、別料金が要るんやけど。

小学校の時、本職建具屋のじいさんばあさんがやっていたそろばん塾に通っていた。

地元では有名で評判も良いところ。

塾での試験で級が上がると、グリコのおまけみたいな「賞品」がプレゼントされた(笑)。

いま思うとホンマにショボいおもちゃやけど、試験に受かった勲章、すごくうれしかった。

さらには年に何回か検定試験を受けて実力を確認する。

この商工会議所の試験、地元の町では開催がなく、隣の市まで出かけた。

この商工会議所の検定試験、電車に広告が出てた、初めて見たわ。

現地集合が基本なんやけど、一緒の塾から受けるメンバーで知り合いを見つけて一緒に国鉄で出かけた。

同級生だけやない、近所の兄ちゃんや姉ちゃん、もちろん年下の子も一緒。

親と一緒ではなく自分で切符を買ったのも初めて。

「こらっ!やかまし!静かにせぇ」、車内でよそのおじさんに叱られたのも初めて。

途中の駅で友達と二人、じいさんらに席を譲ってドアのトコに立ったのもこの時が初めて。

「長島の子ぉか、えらいなあ、おおきんな」、ほめてもろたのも初めて。

何で長島ってわかったんやろ、その時は不思議やったんやけど、バリバリの長島弁で大声で喋っとったらわかるわな(笑)。

子どもだけで昼飯食べたのも初めて。

ファミレスやファストフードなんて無い田舎町(今もない(笑))、昼飯も商店街の食堂。

すると店のおばちゃんがワシに尾鷲弁で「あれ?あんた長島のM(←屋号)のSさん(←親父)トコの子やり」
「はい」

「まぁ〜〜、父さんと一緒の顔しとるなぁ、すぐわかったわ。おばちゃんトコ親戚になるんやで」、そぉなんや。

友達に笑われたけど、隣の町に知り合いなんて、小学校3、4年生には嬉しかったし、自慢気やった。

さて長い前置き、タイトルの所以はここから。

食事済んで帰ろうと駅に向かう。

帰りも当然普通列車、鈍行のつもりやったんやけど、この駅で鈍行を追い越す急行がある。

2つ上のK君が「急行で帰ろか、冷房車やでー」、子供料金でも150円か200円したと思う。

急行が停まらない駅の子とか、地元の他のグループに「お先に失礼〜」なんて調子づいて先に出る急行に乗った。

四人がけのボックスシート、ちょうど四人で座った。

冷房効いとるし、次長島でノンストップやし、子供なりの贅沢と優越感。

15分先に着くだけなんやけど。

帰ったら母親に「急行券もったいないのに」と叱られた(笑)。

子供なりの「冒険」、これはこれで思い出、今でもちゃんと覚えている。

通勤電車でも各停と急行の待ち合わせがあると、時々思い出す。