犬のてんかん

実家の座敷犬、サリーが最近調子悪いらしい。

何日か、何週間かおきに、てんかん、ひきつけを起こす。

医者で薬を出してもろて飲ませとるんやけど。

週末、帰ったときに初めてそれを目の当たりにした。

横に倒れたかと思たら、手足を痙攣させ、目を向いて、悲鳴のような声をあげる。

じきに治まるんやけど、土曜日のはひどかった。

治まりかけるんやけど、4、5回繰り返し、親父は「こんなん初めてや、ええんかいなぁ」と心配しはじめた。

親父は名前を呼び、「死ぬなよ、死ぬなよ」と声をかける。

親父の声が大きくなる。

その様子を見て、さすがにワシも心配になってきた。

しばらくして、ようやく治まった。

時計を見ると20分以上経っていた。

「よしよし、がんばったなあ、苦しかったなあ、えらかったなあ」、人間の子供相手のように話し掛けている。

こっちが泣けてくる。

あんなに犬嫌いやったのに、今はホンマに家族の一員やな。

うちに来て6、7年になるんかな、ヨークシャーテリアとプードルの合いの子、ヨーキプーと呼ぶらしい。

来たときはまだ赤ちゃんで、ワシの手の平に乗るくらいやった。

成犬でも3、40センチ位の体長。

まだ死んだらアカンで、年寄りだけの家で、相手したってくれよ、サリー。