厄日

朝起きると、どうも体調不良、熱っぽく具合がよろしくない。

無理やりバナナとトーストをミルクで流し込む。

あかん、ちょっと横になろ。

そしたら、腹は下るわ、食べたもの戻すわ…。

あかん、8時半になったら部長に電話しよ、と再度寝た。

で、8時半、少々回復していたし、何より今日どうしてもやらなければならない仕事を思い出したので、「これから向かいます」と部長に連絡。

「大丈夫かぁ」いつになく(笑)優しい言葉。

結局始業から一時間遅刻して会社に到着。

「今日は早く帰れよ、明日もあるんだから」と、いつになく(笑)優しい言葉。

「早く帰る」これが運のツキとなる。

定時少し過ぎたころ、帰宅。

今朝は自転車を漕ぐなんてもってのほかだったのでバスで来た。

帰りも当然バス。

少し先の停留所で座れて、今日はラッキーかなとも思った。

しかし今日のラッキーはこれだけやった。

電車に乗り換えた。

丁度到着した急行は調布駅で特急電車の接続待ち、ワシはドアの横に立っていたら特急から乗り換えたおっさんに足を踏まれた。

おいおい、侘びも無いんかい。

顔見て舌打ちしたった。

そいつは何も言わず電車の中を移動していった。

くそー。

靴は汚れたまま。

そのおっさんのネクタイ引きちぎって拭かしたろかいな。

イライラしたまま10分、永山駅に電車到着、改札で二人前を歩いていたおばちゃんがエラー、キンコン鳴らした。

ので、スッと隙間のあった横のレーンに入った。

高速の料金所でもよくあるケース、流れてるんやから当然の行為。

改札を出ると、後ろからいきなり肩を殴られた。

50代後半に見えるおっさんが「人の前に立つんじゃねぇよ」。

はい、瞬間湯沸かし器点火!

「こら、何すんじゃ、殴ることないやろ」と胸倉をつかみ引きずり回した。

階段の手すりに押さえつけた。

「ちょっと、危ないわよ」後ろからどっかのおばちゃんの声。

落とすつもりはない。

更に言うと殴るつもりも、蹴飛ばすつもりもない。

「何したっちゅうんじゃ、言葉で言うたらわかることやろが、殴ることないやろ」分かるようにちゃんと説明せぇよ、そんだけ。

「人の前に立つんじゃねぇよ」の一点張り、徐々にトーンダウンしとるけど。

それしか言わんからよけいイライラ腹が立つ、「それだけじゃわかるか、ちゃんと説明せぇ!」再度場所を移動し、周囲が安全な(笑)柱に押さえ込む。

人間って軽いもんやなぁ、別の冷静な自分が考えている。

すると左サイドからこれまた50代の男性が「よせよ、もういいだろ、おまわり呼ぶぞ」。

「ああ上等じゃ、呼んでくれ!」、ワシ悪かったら逃げるけど、今回はその必要ない。

「人の前に立つんじゃねぇよ」まだ言うとる。

アホの一つ覚え。

ワシも体調不良やし、止めに入ってくれたおっちゃんに免じて(かぁ?)、その場を離れた。

「人の前に立つんじゃねぇよ」まだ言うとる。

「知るか!」このとき、このおっさんマトモや無いことに気づいた。

もっと早く気づけばよかった。

テンションが下がると共に、急に恥ずかしくなってきた。

でも、こういう場で止めにはいったあのおじさん、かっこええなぁ。

しかし、人の足踏んで黙ってるとか、大勢の人の流れの中で自分の前に入ったからと殴るやつとか、大の大人のほうがおかしなヤツが多いぞ。

若いヤツのこと、マナーのこと、あんたら言う資格なし。

こんだけ人間おったら変なヤツも多いわ。

ブチっときたワシも反省やけどさ、でもさ、あの状況思い出したらまた腹が立ってきた。

あー胸糞悪い、寝る。

今日はきっと厄日。

っていうかワシのストレス、ピーク…かも。