11月1日

上天気の土曜日の朝、そうだ鶴見行こう。

新幹線のCMやないけど、急遽思い立ち、出かけることにした。

今日から11月かぁ、…ん、ばあちゃんの命日やん!

鶴見へ行こうと思たのも、ひょっとしたらばあちゃんが呼んでくれたのかも。

何度も書いたが鶴見総持寺は、うちの地元の寺の大本山、ばあちゃんがおるような気がして、墓参り出来ない分、時々散歩しにくる。

10年前の11月1日、日曜日の明け方、実家から電話があり、急ぎ支度をし新幹線に飛び乗った。

こんなに寂しい気持ちで新幹線乗るのは初めてやし、たった一時間半ちょいやけど、名古屋がこんなに遠く感じたのも初めてやった。

先を急ぐ旅、近鉄にしよかとも思たが、ちょうど乗換え無しの紀勢線の特急があったのでこれにした。

隣りにはおじいさんが一人、発車前の車内で弁当を食べていた。

ワシもホームで買うた駅弁を開ける。

食欲あるはずもないが、朝も食べてないしと駅弁購入した。

ひょんなことからじいさんとの会話が始まった。

福島から来た訛りのあるじいさん、これから勝浦、串本を回って大阪まで行くという。

ばあちゃんのことには触れず、当たり障りの無い会話と沿線の案内をした。

寂しい気持ちも紛れ、ひとりで乗るよりもちろん時間の経つのも早い。

あっと言う間に紀伊長島到着。

じいさんと別れ、駅まで迎えに来てくれた義弟と実家に向かった。

そして…。

親戚の前で号泣してしもた。

あの日も、今日と同じ超快晴でした。

これからも守って下さいと、ばあちゃんにお願いしてきた。