非常ボタン

駅のホームには、非常時に電車に異常を知らせ、停止させる非常ボタンが何か所かある。

ついこないだホームの下に待避場所が設けられとることも書いた。

ホーム横の踏切に飛込んだ女性を助けようと、踏切そばの交番から飛び出したお巡りさん、二人とも電車にひかれた(表現が正しいか)。

ホーム下の待避所(空間)に移動させようとしてたらしいが間に合わなかった。

踏切内の異物を知らせるセンサーも信号の隙間にいたらしい。

何より残念なのは、ホームにいた人誰も非常ボタンを押さなかった。

夕方のラッシュ時間帯、田舎の駅やない、東上線の駅、何人もの人がいたに違いない。

皆が皆動転しとったんか。

悲鳴上げて手で顔を覆ってたんか。

他人事に思たんか。

正義感の強いお巡りさんを見殺しにするつもりやったんか。

暴れるこの女性(精神科通院歴あり)を押さえ、電車に向かい止まってくれと手を振ってたとのこと。

ホームの冷たい人たちの冷たい視線を浴びながらやろか、お巡りさんの気持ち考えると切ないなあ。

職業でなく人間として助けたに違いない、重体のようやけど、“お巡りさんは”どうか一日も早く回復しますように。